UTO×Phlannèl 21SS DUFFLE BAG

今季で6シーズン目となる Phlannèl × UTO のコラボレーション。21SSは、新しいアプローチで巾着タイプのバッグを制作しました。

素材はリネン。ヴィンテージリネンのような粗野で無骨なリネンなので、フランス古着の要素を組み込みたいと考えました。アンティークのリネンスモックやワンピース等に見られるギャザーには特有の魅力があることから、ギャザーを伴う巾着タイプのバッグが思い浮かびました。
巾着といえば、要となるのはバッグの口を開閉するコード(紐)。これをどう処理するかがデザインの主軸となります。
巾着の紐を長くしてそのまま肩掛けにしたり、口の開閉とショルダーベルトは別に付けたりと様式は色々ありますが、ちょっと視点を変えた、ショルダーベルトと口紐の組み合わせを思いつきました。

片側の口紐をショルダーベルトと一体化させるこの形は、肩に掛けて持った際にバッグの口がしっかり閉じて勝手に開くことがありませんし、ショルダーベルトを引っ張ればラクに口を閉めることが出来ます。さらに、巾着の紐を直接肩に掛けるタイプよりも幅広のショルダーベルトの方が肩にかかる負担を軽減してくれます。ごく普通のデザインのようですが、実は利便性とデザイン性を兼ね備えた「新たなカタチ」なのです。
ベルトの巾に対して細いコードは、私の根底にある「面と線」「疎と密」といった緊張感を生む理念に基づいています。そのため、一見途切れて浮いているように見えたり、紐の部分が肩に掛かるのでは・・と不安に思うかもしれませんが、ちゃんとベルトが肩に掛かるように設定しています。
このコードとベルトの組み合わせを考える中で、ふと思いついたのがヨーロッパの古いサスペンダー。最終的に、どことなくその雰囲気を感じ取れるようなディテールに仕上げました。

ゴロンとボリュームがある7mm厚の革製のストッパーも手作りで制作。もちろん手縫いです。白地にはヌメ色、黒地には茶芯の黒染め。ともに経年変化が期待でき、更にいいアクセントになっていくと思います。

製品洗いによってリネンの魅力である自然なシワが刻まれ、より表情豊かに。裏地にコットン帆布を使用するこで、その表情を楽しみながらも、バッグとしての程よいボリューム感と強度を持たせています。

ちょっとしたお出掛けに最適な、コンパクトなサイズ感の DUFFLE BAG です。